【講師解説】タグチメソッドにおすすめの直交表【実践向け】

解説する先生

タグチメソッドを実践したい人

タグチメソッドの直交表はどれを使うの?
実験計画法の直交表と何が違うの?
のーさん
こんな悩みを解消します

 

記事の内容

  • 直交表の種類【2種類あり】
  • タグチメソッドに適した直交表
    【解説します】
  • おすすめの実践方法【簡単です】

 

記事の信頼性

QC検定1級で統計手法の講師をしている私が解説します。
☞プロフィール詳細はこちら

 

タグチメソッドは”ばらつきに強いパラメータ設計ができる”などメリットの大きい手法。
ですが適切でない直交表を使うと、

  • 無駄に実験回数が増える
  • 最適解が見つけられない

といった問題が発生する可能性があります。

 

ではどうするか?

結論:3水準列を含む混合系直交表を使おう。

 

本記事では直交表の種類とその特徴について詳しく解説します。

 

本記事を読むことで「タグチメソッドの実践時に選ぶべき直交表」とその理由が分かります。
適切な直交表を使うことで効率的にばらつきに強いロバスト設計が実現できますよ。

 

直交表の種類【2種類あり】

大きなモニターでデータを眺める人たち

 

初めに直交表の種類を説明します。

 

直交表の種類は以下の2つ。

  • 素数べき乗系
  • 混合系

 

それぞれの特徴を簡単に説明します。

 

素数べき乗系直交表

”素数べき乗系”とは実験計画法で使われる”2水準系・3水準系”直交表のこと。
代表的な直交表は以下の通りです。

 

主な”素数べき乗系”直交表

2水準系

  • L8直交表(7列)
  • L16直交表(15列)

 

3水準系

  • L9直交表(4列)
  • L27直交表(13列)
  • L81直交表(40列)

 

L○○という数字は実験回数を表しています。
実験計画法を学習された方には馴染みのある直交表ですよね。

 

その特徴は以下の通り。

 

 ”素数べき乗系”直交表の特徴

  • 交互作用の効果が1列または2列に切り分けて現れる。

 

交互作用を”因子の主効果”と分離可能。
なので”因果関係の定量化”や”原因究明の実験”に適しています。

 

混合系直交表

次は混合系の直交表です。

 

主な”混合系”直交表

  • L12直交表(2水準×11列)
  • L18直交表(2水準×1列+3水準×7列)
  • L36直交表(2水準×3列+3水準×13列)

 

こちらも数字は実験回数を表しています。

 

その特徴は以下の通り。

 

 ”混合系”直交表の特徴

  • 交互作用の効果が各列に交絡する。
  • 2水準と3水準が混在するものもある。

 

交互作用が各列に交絡。よって効果の推定不可。

 

それってデメリットだよね?
使わないほうが良いのでは?

 

と、思われるかもしれません。
ですが、タグチメソッドでは”あえて”混合系がよく使われます。

その理由は以下の2つ。

  1. 主効果の最適化に注力できる
  2. 実験回数と列数のバランスが良い

 

①はタグチメソッドの目的が”最適な水準組合せを見つけること”なので
「主効果だけを評価する」という立場に立っているからです。

あえて交互作用を無視しているとも言えます。

 

②については次で詳しく説明します。

 

タグチメソッドに適した直交表【解説します】

先生の授業でひらめく生徒

結論:現実的にはL18直交表です。

 

タグチメソッドで直交表を選ぶポイント

  • 3水準が扱える
  • 列数と実験回数のバランス

 

それぞれ簡単に説明します。

 

3水準が扱える

 

タグチメソッドは最終的に”最適水準の組合せ”を見つける事が目的。
最適水準を見つけるには2水準では不十分です。

 

3水準を扱える直交表が必要なので

  • L9直交表(4列)
  • L18直交表(2水準×1列+3水準×7列)
  • L27直交表(13列)
  • L36直交表(2水準×3列+3水準×13列)

 

この辺りが候補になります。

 

列数と実験回数のバランス

次は列数と実験回数のバランスです。

 

まず列数ですが
”列数≒扱える制御因子の数”です。

タグチメソッドでは”調整因子の発見”が重要。
調整因子とは”SN比への影響は小さいが感度に効く制御因子”の事です。
(詳細⇛【初心者向け】QC検定1級の私が「ばらつきに強いロバスト設計法」を解説する

 

調整因子を見つけるため「なるべく多くの制御因子を扱う」のが成功のコツ。
なのでL9(4列)は小さく、ほぼ使われません。

 

一方、タグチメソッドの実験回数は
「直交表の行数×信号因子の水準数×誤差因子の水準数」で決まります。

 

信号因子は3水準・誤差因子は2水準が多いので
”直交表の行数×6”が全体の実験数。

 

とすると各直交表の「全体の実験数」は

  • L18直交表 ⇛18×6=108回
  • L27直交表 ⇛27×6=162回
  • L36直交表 ⇛36×6=216回

なので

 

実務で実験数はなるべく少なくしたい。
でも列数は多くしたい。

総合的に判断すると L18 直交表(108回の実験)が現実的。
となる訳です。

 

おすすめの実践方法【簡単です】

データを見ながら相談する男女

 

最後におすすめの実践方法を紹介します。

結論:
無料の解析ソフトで実践しよう

 

タグチメソッドは先で紹介したように実験回数が多くなります。
解析をエクセルや手計算で行うのは非常に大変。

 

ところが無料の解析ソフト「JUSE-StatWorks(体験版)」を使用すると簡単に実践できます。

 

スタットワークス体験版の試用期間は30日。
でも実はアンインストールして再インストールで、期間がリセットされ半永久的に使えます。

 

具体的な実践手順はこちらの記事で紹介しています。
→【簡単】ロバスト設計を実現する5つの手順【もうばらつきに悩まない】

 

「本を見て実践したい!」というあなたには
こちらの記事で実践向けのテキストを紹介していますので、参考にしてください。
→品質工学の本をおすすめランキングでご紹介【講師選定】

 

タグチメソッドにおすすめの直交表 まとめ

SUMMARY_CONCLUSION

 

今回はタグチメソッドにおすすめの直交表を解説しました。

 

 直交表を選ぶポイント

  • 3水準が扱える
  • 列数と実験回数のバランス

 

 結論

現実的にはL18直交表。

 

 おすすめの実践方法

 おすすめテキスト

 

適切な直交表を使用することで

  • 無駄に実験回数が増える
  • 最適解が見つけられない

 

といった問題が回避できます。
適切な直交表を使って効率的にばらつきに強いロバスト設計を実現しましょう。

解説する先生
気軽に いいね!&フォローしてね