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日本規格協会さんの会員誌「標準化と品質管理12月号」から’19年9月度QC検定1級の「実施報告」について、その要点を解説したいと思います。
「実施報告」の中には「合格率」や「正答率が低い分野」、「出題者側が重要視しているポイント」など、合格に向けて有益な情報が含まれています。
ぜひQC検定1級の受験を検討されているあなたには参考にしてください。
QC検定1級の合格率は?
まず’19年9月度QC検定1級の合格率を見ていきたいと思います
QC検定最高峰の合格率はどれくらいなのでしょうか?
’19年9月度QC検定1級の合格率は次のように記載されています
1級の合格率は2.58% 〔7.20% 〕と4.62ポイント減少しました。申込者数で182人,受検者数は80人減少し 合格者数は27人〔81人〕と前回よりも大幅に減少しました。
※[]内は前回の数値
日本規格協会 「標準化と品質管理2019年12月号」QC検定実施概要報告より
QC検定1級の合格率はなんと2.58%!
合格者数にすると全国でたった27人
2級の合格率が約22%でしたので、その1/10程度の合格率です。
特に今回は前回から4.62ポイント減少とかなり低かったみたいです。
やはり中途半端な覚悟では合格できないレベルと言えます。
QC検定1級に求められる人材像は
「組織内での品質管理活動のリーダーとなる知識を有し、その活用の仕方を理解している人」
なので当然です。
また受験者・合格者の年齢構成は以下のグラフのようになっています
合格者どこ!?
って感じですね。
受験者数は35~39歳が最も多いです。
業務での品質管理経験も積んできた年齢でこの状況です。
本気で勉強しなくては合格できないのが伝わるかと思います。
自分のQC検定1級合格まで
ここで少し、自分が1級に合格するまでの流れを簡単に紹介すると
自分も1回目の受験の際は問題集中心で勉強し、過去問は5回分くらいを解いた程度で挑んだ結果・・
見事に撃沈しました!
敗因としては
- 問題集は基本的な問題ばかりなので応用が利かなかったこと
- 計算が遅く時間的余裕がなかったこと
- 論述問題の対策をほとんどしていなかった事
です。
正直、完全にナメてました。
で心を入れ替え、次の半年間は本気で対策を考え、集中して勉強しました。
ほぼ毎日、会社帰りに2~3時間ほど勉強していたと思います。
その過程で実践した対策が以下の3記事に集約されています
結果、受験2回目にして「合格」することができました。
ぜひ本気で合格を目指すあなたには自分の対策を参考にしてもらいたいと思います
合格者おすすめの記事はこちら
QC検定1級 分野別の正答率は?
QC検定1級における分野別の正答率については以下のように書かれています
今回残念ながら不合格となった受検者を見ると,手法分野で得点率50 %に達しなかった受検者は648人〔562人〕で,これは受検者全体の実に62.01 %〔49.96 %〕にあたり,実践分野で50 %に満たなかった受検者は44人〔53人〕で,前回と比較すると9名減少しました。分野別に見ると,手法分野全体の正答率は44.8 %〔50.5 %〕,実践分野全体では70.6 %〔69.7 %〕でした。
※[]内は前回の数値
日本規格協会 「標準化と品質管理2019年12月号」QC検定実施概要報告より
これを見ると、手法分野と実践分野で正答率に25%以上の差があります。
さらに合格基準(得点率50%)に満たなかった受験者は手法分野で62%にものぼる事から
QC検定1級は「手法分野でどれだけ得点するか」が合格へのカギと言えます。
手法分野の正答率は?
手法分野の正答率の記載はこのように書かれています。
手法分野で正答率が70 %を超えた問題は前回と同じく1問もなかったのですが, 60%を超えた問題は【問2】計数値データに基づく検定と推定でした。しかし,【問3】管理図は約20 %と最低の正答率,【問4】重回帰分析,【問8】抜取検査は約38 %と低い正答率でした。
日本規格協会 「標準化と品質管理2019年12月号」QC検定実施概要報告より
ということで受験生の正答率が低い分野は「管理図」と「重回帰分析」「抜取検査」となりました。
QC検定1級では基本的に
応用を効かすことを求められた問題を得点する力が求められており、基本的な形の問題はほとんど出ません。
これに対応するためには基本的な問題しか載っていない「問題集」で表面的な学習をするのではなく
「過去問」で応用を効かすことを求められる問題に慣れておく事が重要となります。
私がおすすめする「過去問を使った勉強法」を実践していれば必ず攻略できるようになります。
ぜひ、読むだけではなく実践してみてください。
実践分野での正解率は?
実践分野での正解率については以下のように書かれています
実践分野で正答率が80 %を超えた問題は,【問11】品質経営の要素:標準化,【問12】品質経営の要素:診断・監査,【問15】倫理・社会的責任でした。一番正答率が低かった問題は,【問14】品質保証:プロセス保証の約46 %でした。
日本規格協会 「標準化と品質管理2019年12月号」QC検定実施概要報告より
実践分野は2級同様に概ね受験生の得点源となっているようです
逆に言うとここは確実に得点しておかないと苦しいよという事なので、油断せず学習しておいてください。
QC検定1級の論述分野について
今回のQC検定1級の「実施報告」では特に「論述分野」へのコメントが多かったです
その一部を抜粋して紹介すると
論述問題の答案を拝見すると,これまでに比べて,「課題に沿った記述になっていない」,「知っている用語だけを並べた文章になっている」といった答案が数多く見られました
中略
これも毎回記していることですが,問題の主旨とは違う内容を記載し,強引に結論に結び付けているもの,そして今回は問題文のキーワードだけに引っ張られて,出題者側から解答していただきたい内容に至らない解答が多かったのが目につきました。問題の主旨が何であるかを十分理解し,最低限必要な事項を漏らさずに,読みやすく記すことを心がけてください
日本規格協会 「標準化と品質管理2019年12月号」QC検定実施概要報告より
ざっくりまとめると
問題の主旨を正しく理解して、品質管理をリードできる知識が伝わるように論理的な文章でまとめて
と言われています。
これを何も準備せず、その場で考えて書こうというのは無謀です。
どんなお題が出るかわからない論述分野ですが準備できる事はあります
ぜひ下の記事を参考にしていただけたらと思います。
まとめ
今回は会員誌「標準化と品質管理12月号」から’19年9月度QC検定1級の「実施報告」について、その要点を解説しました。
QC検定1級攻略に重要なポイントは「手法分野で得点すること」
応用を効かせれれるようになるため「過去問で練習しておくこと」
さらに論述分野において「問題の主旨に則した、論理的な文章で回答すること」です。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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