影響因子が多すぎて実験回数が膨大
影響因子を絞り込むにはどうしたらいい?
製品開発や生産現場において「実験の回数を減らす」事は非常に重要。
高価な試作品を何個も作ることはできませんし時間もかかりますよね。
特に特性値に対する影響因子が10個以上ある時は実験回数は大きな問題となります。
楽をしたいあまりに、雑な実験をしては正しい考察ができません。
特にやってはいけない実験は、「【実験計画】エンジニアがやってはいけないトライ方法【ムダです】」で詳しく解説しています、気になる人はチェックしてくださいね。
今回は実験計画法の1つである「プラケット-バーマン計画」という方法をご紹介。
この計画は影響因子の絞り込み(スクリーニング)に特化した実験方法です。
本記事を参考にすることで影響因子を少ない実験で絞りこむ具体的方法を知ることができますよ。
・プラケット-バーマン計画とは
・プラケット-バーマン計画のやり方
・実験回数の削減効果
スタットワークスのインストール
計画を立てるためにまずは統計解析ソフト「スタットワークス」をインストールします。
プログラミングの知識不要で使える為、初心者でも簡単にデータ解析が行えるのが特徴です。
ただし無料体験版は解析できるデータ数に制限があります。
詳細なインストール手順は「統計解析ソフト スタットワークス無料体験版のインストール方法」で紹介していますので参考にしてくださいね。
また、スタットワークスにおける他手法の実践講座は「スタットワークスの使い方をまとめてみた【簡単】」がおすすめです。
プラケット-バーマン計画とは
プラケット-バーマン計画とは実験計画法における計画方法の1つ。
実験計画法は「実験の目的」や「扱う因子の水準数」などで様々な計画方法があります。
実験計画法の分類図
以下は実験計画法の分類図です。
ご覧の通り実験計画法と言っても計画手法は様々。
プラケット-バーマン計画は実験計画法の中でも「応答曲面法」という分野の1つです。
それぞれの手法に特徴があります。
なので適用できる場面、メリット・デメリットを理解して使い分ける必要があります。
このブログではそれぞれ紹介しますので安心してくださいね。
プラケット-バーマン計画の特徴、メリット・デメリット
ではプラケット-バーマン計画の特徴 メリット デメリットを説明します。
プラケット-バーマン計画の特徴
特性値 | 数値データ(量的) |
因子 | 数値データ(量的)のみ |
因子間の交絡 | 無し(直交) |
因子の基準化 | 必要 |
因子の水準数 | 2水準 |
中心点の繰り返し | 不要 |
推定可能モデル | 一次式モデル |
・最適条件は見つけられない
・二次式以上のモデルは推定不可能
・交互作用の効果は分からない
・因子の主効果を推定できる(直交なので)
・特性値に影響が大きい因子を絞り込める
これらの特徴、メリット・デメリットを理解して活用する事が重要ですよ。
最適化の為のD最適計画
プラケット-バーマン計画のデメリット
- カテゴリ(質的)データが扱えない
- 最適条件は見つけられない
- 二次式以上のモデルは推定不可能
- 交互作用の効果は分からない
これらが障害となって実践できない人向けの実験計画法が「D最適計画」。
「D最適計画」は実用的で万能な、とても便利な実験計画手法。
この手法を知っているだけで仕事が確実に楽になりますよ。
こちらの記事で、どの専門書にも載っていない具体的な実践方法を解説しています。
☞【劇的】QC検定1級の私が「実験回数を激減させる統計手法」を解説する
解析ソフトの準備”から”解析方法&結果の見方”まで,34枚の画像付きで詳細に解説。
ここまで具体的には、一般的な専門書では書けません。
ぜひ一度ご覧ください。
一度、実践してみない事には現状は変えられませんからね。
プラケット-バーマン計画のやり方
実際にプラケット-バーマン計画で実験計画を立ててみたいと思います。
今回は15因子 各2水準のスクリーニング実験を組んでいきますよ。
1、スタットワークスを起動する
まずはスタットワークスを起動します。
2、手法選択→実験計画法→応答曲面法の為の計画
下の画像のように手法を選択します。
3、2水準系を選択
実験計画の種類から「2水準系」を選択します。
4、実験因子を設定
「量的因子」ボタンを因子の数だけクリックします。
その後、因子名を入力します。
5、各因子の水準を設定する
各因子の下側水準(第1水準)、上側水準(第2水準)を入力。
6、実験回数を選択
実験回数を選択します。
どの回数でも主効果は直交なので、最小回数を選択します。
7、特性の数を選択
特性値(結果)の数を入力します。
繰返し数・中心点数は実験精度を上げたい時に増やします。
基本はデフォルトで大丈夫。
9、特性名を入力
特性値の名前を入力します。
9、ランダマイズ→変数登録→閉
実験順序はランダマイズして行う事が大切。
「ランダマイズ」ボタンを押すと実験順序がランダマイズされます。
まだ、この段階では解析用データシートに実験計画が登録されていません。
必ず「変数登録」ボタンを押して下さいね。
10、実験シートの完成
「変数登録」を行った後に「閉」ボタンを押して計画ウインドウを閉じます。
ワークシートに作成した実験が転記されています。
これで計画の作成は完了です。
実験順序に従い実験を行い特性値の列に結果を入力します。
以上がプラケット-バーマン計画による実験計画の立て方でした。
やってみると簡単なので、1度挑戦してみてくださいね。
実験回数の削減効果
ではプラケット-バーマン計画で実験計画を立てることでどれくらいの削減効果があったのでしょうか。
仮に15因子各2水準の配置実験(総当たり実験)を行ったとすると
なんとその実験回数は”2の15乗=32,768回”となります。
一方でプラケット-バーマン計画では影響因子のスクリーニングに用途が限定されますが「20回」の実験で済みます。
その差はなんと32,748回。
・・・さすがにこの回数をやる人はいないですよねw
通常は
- プラケットバーマン計画で影響因子を絞りこむ
- D最適計画で最適化を行う
という2段構えで実験を計画します。
「D最適計画」はこちらの記事で、どの専門書にも載っていない具体的な実践方法を解説しています。
☞【劇的】QC検定1級の私が「実験回数を激減させる統計手法」を解説する
まずは実践してみましょう。
実践しなくては、仕事は楽にできません。
プラケット-バーマン計画のやり方 まとめ
今回は実験計画法の1つである「プラケット-バーマン計画」にて実験回数を削減する具体的方法を解説しました。
統計解析ソフト「スタットワークス」を使えば簡単に実験計画法が活用可能。
実験計画法を使えば32,768回の実験を20回に減らすことができますよ。
製品開発や生産現場では大きな効果が期待できるので、是非ブックマークして活用してくださいね。
初心者でも15分で実践できるので、やらないのは損ですよ。
個別でアドバイスします(2021年4月10日更新)
読者の方から「自業務に対し個別でアドバイスがほしい」とのご要望をいただきました。
”ココナラ”というスキルマーケット※でお引き受けしています。
実務の実情に合わせた実験計画立てのアドバイス。及び、解析結果の考察まですべてサポート致します。ぜひご検討ください。
(※機密保持契約あり。企業名での領収書発行可)
こんな人におすすめ
- とにかく早く課題を解決したい!
- 実践しようとしたけど上手くいかない。
- 基礎からしっかり教えてほしい。
おすすめではない人
- プロジェクト納期に余裕がある。
- 独学で学びたい。
統計手法を習得するには、早く実践して”成功体験を得る”事が最も大切です。
この機会に実践して仕事を楽にしましょう(^^)
ご利用いただいた方の声(2021年12月11日更新)
購入して、とても満足しています。
サービス内容にも記載されていた通り、値段以上の価値がある経験ができました。チャレンジしてみたいと思っても、書籍やネットの情報では中々理解できず踏み切れなかったところ、分からないことを丁寧に分かりやすく説明して頂けるので、とても助かりました。
私のように実務で統計手法を試してみたいけど、難しそうで挑戦できていないという方や、少しでも実験を効率化して製品開発を行いたいという方は、書籍を買って独学でするよりも一度出品者様にご相談した方がより早く、理解を深めながら挑戦し、その効果を実感できると思います(もちろん相談後は書籍等で自分でも勉強してみるつもりですが)。
わからないことがあるたびに打ち合わせをお願いしても快く丁寧に対応してくださり、本当に感謝しています。
ココナラでこの方に巡り合えてご相談できて本当によかったと思っています。ありがとうございました。
書籍で手法の概要は理解できたものの、実際に自分で統計ソフトを用いてどのように作業を進めていけば良いのかがわからずに困っていたため、私の希望で立案から解析までをワークショップのような形式でサポートをお願いしました。
とても丁寧に対応していただき、理解を深めることができました。
今後もぜひ、お付き合いさせていただきたいと思いました。
ありがとうございました。
どちらのお客様も私のサポートを受けながら、ご自身の手で課題を解決されました。
このような高評価をいただけてとても光栄です。